シダキュア治療効果について(最新版)
近年、日本人の2人に1人がアレルギー性鼻炎で困っていると報告されており、なかでも子どもの花粉症患者さんが急増しています。
よく使われる抗ヒスタミン薬はアレルギー症状は軽くなりますが、眠気や集中力の低下が問題となります。
ところが最近は全く新しい治療として、スギ花粉とダニによるアレルギー性鼻炎には「舌下免疫療法(SLIT: sublingual immunotherapy)」を行うことができます。
<治療方法や期間、費用について>
✔︎タブレットを1日1回、毎日舌下に投与することでだんだん体を慣らします。
✔︎ シダキュア®︎は、1-5月のスギ花粉飛散期には治療を開始できません
✔︎ シダキュア®︎、ミティキュア®︎ の併用治療も可能です
✔︎ 最低でも3年間の治療が必要です(3年間治療を継続すれば、中止後も効果が持続する可能性が高いと報告されています)
✔︎大人の方の自己負担額(3割負担)は、1年でおよそ20000円程です。
2021年の5月以降にシダキュアを開始した患者さんの経過を紹介します(2021-2022年)
・合計29名の患者さんが治療を開始しました
・2名が自主的に治療を中断されました(理由は不明です)
・27名が現在も治療を継続しています
・27名のうち21名は無症状、もしくは鼻症状が大幅に改善しました
・6名は前の年と比較してあまり症状が変わりませんでしたが、2年目も治療継続を希望されています
以上から、2021-2022シーズンのシダキュアの有効率は77%となりました。
2022年の5月以降にシダキュアを開始した患者さんの経過を紹介します(2022-2023年)
・合計45名の患者さんが治療を開始しました
・10名が自主的に治療を中断されました(理由は不明です)
・35名が現在も治療を継続しています
・35名のうち28名は無症状、もしくは鼻症状が大幅に改善し、抗アレルギー薬は不要でした
・5名は抗アレルギー薬が必要ですが、開始前よりも症状が軽くなっています
・2名は前の年と比較してあまり症状が変わりませんでした
以上から、2022-2023シーズンのシダキュアの有効率は80%となりました。
2023年の6月以降にシダキュアを開始した患者さんの経過を紹介します(2023-2024年)
・合計65名の患者さんが治療を開始しました
・4名が副反応で治療を中止しました(3名が口腔内症状、1名が嘔吐)、10名が自主的に治療を中断されました(理由は不明です)
・51名が現在も治療を継続しています
・51名のうち42名(82.4%)は無症状で、併用薬は必要ありませんでした
・5名(9.8%)は鼻症状はありましたが、抗アレルギー薬は不要でした
・4名(7.8%)は併用役は必要でしたが、治療前よりも症状が軽くなっています
・前の年と比較して症状が変わらなかった(無効)は0名でした
以上から、2023-2024シーズンのシダキュアの有効率は92%となりました。
舌下免疫療法は花粉が飛散していない時も治療を継続する必要があり、自己中断される患者さんが多いことが課題です。
今年もすでに多くの患者さんが舌下免疫療法の開始を希望されています。また、スギとダニの舌下免疫療法の併用も積極的に行なっています。
治療開始をご希望の方はお申し付けください。